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【特集記事】イスラム教 vol.12-「シーア派(4) 追悼祭(アシューラ)」

【特集記事】イスラム教 Vol.12-「シーア派(4) 追悼祭(アシューラ)」

 今現在でもシーア派の人々は1400年前に起こったカルバラーの戦いによってウマイヤ朝のヤジード1世に殺害されたフサイン一行のことを思い追悼を続けています。

 「アシューラ」とは本来、イスラム歴1月10日のことを指します。この日はフサイン一行が殺害された日とされているため、この日に行われる宗教行事を「アシューラ」と呼んでいます。

この日はシーア派の人々のとって最も重要な日とされていて、大規模な追悼行事が行われます。

 では実際にどんなことをしているのかを解説していきます。

 シーア派世界では、フサインを指導者として望むシーア派住民の求めに応じて、父のアリーの本拠地であるクーファ―に向かう途中、それを阻止しようとしたヤジードに殺害されたとされています。

シーア派勢力が伸びることを恐れたヤジードは預言者ムハンマドの血が通っているフサインにも手をかけたことによって、1400年たった今でも、もっとも忌み嫌われる人物とされています。

 カルバラーの戦いにおいてフサイン一行は72人。ヤジード軍は30000人以上と言われ、これは虐殺であったとシーア派の人々は信じています。

 この虐殺された際の痛みを共有しようと、人々は自らの胸をたたいたり、鎖や刃物で自らの背中や頭を切ったりして、熱狂的な追悼が行われています。

この際に、フサイン殉教の朗読や宗教劇なども相まって、人々はより悲しみに打ちひしがれ、当時の様子を追体験します。

 かなり過激なように思いますが、筆者の考えとしては、シーア派は歴史上、常に少数派であることが常であったため、異端の人びととして、権力や富からは退けられることが多かったわけです。

弱い立場にあるシーア派が、異議申し立てとして派手な言動をとる傾向が見受けられるように感じています。

 世界のひとつの文化や宗教行事として興味を持っていただけたらと思います。

動画はイラクのイマーム・フサイン廟で胸をたたきながらフサインを追悼するシーア派の人々。


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