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【特集記事】イスラム教 Vol.15-「女性(2)-彼女たちは抑圧されているのか?」

【特集記事】イスラム教 Vol.15-「女性(2)-彼女たちは抑圧されているのか?」

 イスラム教徒の女性(以下,ムスリマ)がへジャブを被っている理由にはいくつかの理由があります。

もちろん聖典クルアーンに書かれているから、という理由ですが、なぜムスリマたちがそれを重んじるのかについて、彼女たちに聞き取りをした際に聞いたことについて書いていきます。

 南アジアにあるパキスタンという国の最大都市であるカラチでは、近代化が進み、途上国でありながらも人々の生活は年々向上しています。

当然、コンピューターやスマートフォンなども普及しており、世界中の様々な情報も知ることができます。

パキスタン人たちは英語に長けているので、海外の情報や文化(特に英語圏の)を直接知ることができます。

英語圏では当然ですが、イスラム教徒は異なる価値観で生活が営まれています。

若い世代の間には、アメリカのヒップホップやロックといった音楽を好んで聞く人もいます。

 そうした他国の文化の影響の中で、女性たちの一部はへジャブを被ることに嫌悪感を抱いたり、へジャブ以外のファッションを楽しみたいという感情が芽生えていきます。

カラチは大都市であるためか、パキスタンのほかの都市に比べて保守的な雰囲気はあまり感じないです。

ショッピングモール内などの屋内施設ではへジャブを被らない女性の姿も見かけます。

 それほど自由な雰囲気の中であっても、多くの女性たちはへジャブを身に付けます。

なぜかと聞いてみた時にとても興味深い答えが返ってきました。

 20歳くらいの女子大生の実際の体験なのですが、ある日彼女はバスを待っていたそうです。

この日はへジャブを被らないファッションの気分だったそうなので、へジャブを被らず、スカーフのようにそれを首にかけていただけだったそうです。

つまり、向こうの感覚ではいつもより露出の多めな格好だったわけですが、そのせいなのか「いつも以上にチラチラと見てくる男性の視線」を感じたそうです。

 彼女は多くの男性たちのニヤニヤした視線に対し「気持ち悪!!」と感じたそうです。

 なんだか、日本でもそうですけど、男ってなー。。。笑

 そんな経験から彼女はへジャブによって自分たちが性的対象として見られることを防いでいるというへジャブの役割について再認識したそうです。

 これに関してはあくまで一例なので、絶対的な意見ではありませんが、女性が性的対象として見られないようにすること、そして、男性の行き過ぎた視線を防ぐという意味でへジャブは機能しているということの現れです。

写真はパキスタンにてへジャブを被っている女性と、へジャブを被っていない女性。

真ん中の男性は筆者。

この国では比較的自由にへジャブを被るかどうかを決められる。


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