【特集記事】イスラム教 Vol.5-「ハラール認証」
- Zindabad Japan by Endo AtomBashi
- 2017年1月6日
- 読了時間: 2分
【特集記事】イスラム教 Vol.5-「ハラール認証」
前回のVol.4では豚肉がイスラム教徒から禁忌されていることを書きました。
今回はイスラム教徒が口にしないその他の食品についてです。
近年日本でも「ハラール認証」という用語を耳にする機会が増えてきたと思います。
ハラール認証とは、簡単に説明すると「イスラム教徒が口にできる食材の証明」ということです。
聖典であるクルアーンにはこのようなことが書かれています。
「食することが禁止されているものは、死肉、血、豚肉、アッラー以外(の邪神)の名で供えられたもの」(2章173節)
つまり「アッラー以外の名で供えられたもの」というのはたとえ鶏肉や牛肉などイスラム教徒が口にできるものであっても、食肉加工する際にイスラム教徒がイスラム教の教えやその方式によって加工したもの以外は食すことを禁止していることを意味します。
しかし、鶏肉などは世界中で食べられていて、ハラール認証がされた鶏肉かそうでないのかは見た目や味などでは見分けがつかないのです。
ですから、イスラム教の認定団体などが食肉などに対しハラール認証というものを行い、イスラム教徒は安心して宗教の教えにしたがった食事ができるのです。
これはイスラム圏ではほぼすべての食肉がハラール認証を受けているものですから、主に移民として欧米にわたったイスラム教徒は特に意識して食肉を購入する際に意識されるものになります。
冒頭に触れましたが日本でもハラール認証が注目されてきています。
その背景にあるのは「マレーシアやインドネシアなど東南アジア地域からの観光客が増えてきている」という背景があります。
マレーシアはイスラム教徒が多い地域であり、近年目覚ましい経済成長を遂げています。
国民は豊かになるにつれ、レジャーなどに関心を持ちます。
そうした中で海外旅行などに行きたがる人も増えますが、彼らの旅行時の心配事は「食事」なのだそうです。
この「食事」の問題さえクリアできれば日本に行ってみたいと考える人々は多く、彼らを呼び込もうと日本の観光業界や飲食店も「ハラール認証」に関心を持っています。
今後日本でも「ハラール認証」の食品などを目にする機会が増えていくことが予想されます。
写真はロンドンにあるハラール食材店

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