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【特集記事】イスラム教 Vol.4-「食事」

【特集記事】 イスラム教 Vol.4-「食事」

 イスラム教徒の食事の説明の前に、中東地域ではどのような食事が食べられていると思いますか?

 例えば皆さんが普段口にする「カレー」はインドや中東地域が発祥とされています。 カレーを作るにはスパイスや香辛料(どちらも同じもの)が使われます。 用いられる香辛料は主にインドや中東などで採れる植物やその種などを加工したもので、これらの地域では料理の味付けや保存などに使われていました。

 ヨーロッパで大航海時代が興ると、これら中東地域の香辛料は輸出品としての価値を持つようになりました。 現在、皆さんが口にする機会が多いカレーは主に「英国風」のカレーで、中東地域のそれとは少し異なりますが、スパイスの風味などは近しいものがあります。 最近では本場インド料理レストランも増えてきていると思います。

 さて、本題ですがイスラム教徒は普段カレーを食べていることが分かったところで、逆に食べてはいないものに着目していきます。 イスラム教徒が「豚肉を食べない」ことは有名だと思います。 つまり日本にある「ポークカレー」は本場のカレーではなく「英国風」や「日本風」のカレーということになります。

 イスラム教徒が豚肉を食べない理由は「聖典クルアーンに書かれているから」という理由です。

 「食することが禁止されているものは、死肉、血、豚肉、アッラー以外(の邪神)の名で供えられたもの」(2章173節) クルアーンにはこのように書かれています。 前回の記事の「アルコール類を飲まない」のと理由は同じです。 それほどまでに彼らはクルアーンを重んじています。

 学術的になぜ豚肉なのか、という疑問について考えてみたいと思います。 衛生面に不安のある豚肉はしっかり過熱しないと病気や感染症を引き起こします。 とりわけ中東地域は気温が高く、より感染症の危険性が高いため禁忌されたと考えられています。

 そのほかにも年中交尾をくり返し、出産を繰り返す。 食っちゃ寝、食っちゃ寝を繰り返す姿が非常に汚らわしく映り、イスラム教の価値観にそぐわないためだ、と説明してくれるイスラム教徒もいました。

 中東地域ではイスラム教徒のみならず、ユダヤ教徒も豚肉を口にしないことなどから、禁忌されている理由は宗教のほか、生活の智慧の一つとしての側面もあるとい

うことです。

写真はイラクのレストランで前菜として出されたピクルスや香辛料。


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