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路上生活者

 日本では近年、「勝ち組」や「負け組」といった言葉に象徴されるように「格差の広がり」が言われて久しいです。

 特に深刻なのは子供の貧困です。 平成27年の内閣府や厚生労働省の調べによると16.1%が貧困状態にあるとの結果が出ています。 (http://www.stat.go.jp/data/zensho/2009/pdf/hinkonritsu.pdf) これは先進国中の相対的貧困率でワースト4位で、かなり深刻な状況です。

 日本の貧困は「目に見えない」という特徴があります。 これは日本という社会が「みんな中流だ」という意識があるため、貧困状態にあったとしても「恥ずかしい」や「私たちはまだまともな方」という考え方が背景にあると考えられています。

 それと並行して若年層の貧困者は24時間営業のファミリーレストランやネットカフェなどでその日暮しをしてその場をしのぎながら生き続けます。 雨をしのげるという点では良いかもしれませんが、貧困の見えない化が進み、目に見える路上生活者のように貧困が注目される機会は減ってしまいました。 注目が減ってしまうと、本来解決すべき問題が見えなくなっしまい、結果的に知らぬ間に悪い方向で物事が進んでしまい、気づいたころには手遅れになってしまうことも想定できます。

 一方で、途上国の場合は路上生活者が今でも多くいることも珍しくなく、まさに格差の象徴と言えるでしょう。

 写真はイラクのバグダッドの路上にて物乞いをする少女です。 彼女には生活を成り立たせる手段が物乞いしかなく、この国の一つの現実が突き付けられます。

 この状況に比べればまだ日本はマシなのかもしれません。 しかし、世界にはこのように子供の路上生活者がいることを忘れてはいけませんし、色々考えていく必要があるでしょう。


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